師団長と師団は、その管掌事項が軍事面[4]に、管轄区域が師管区に限られ、軍政および人事に関しては陸軍大臣から、動員計画および作戦計画に関しては参謀総長から、教育に関しては教育総監から、それぞれ区処を受けるものの、天皇直属であるということでは総理大臣及びその管掌する政府と同じであり、師団長の地位は高く、帷幄の機関の長として統帥事項に深く関わる陸軍大臣や参謀総長には及ぶべくも無いものの、陸軍次官や参謀次長よりは上位であった。しかし師団が増設され数が増えるに従い師団長の地位も次第に低下した。
「師団司令部条例」(明治21年5月12日勅令第27号)によると、師団長の権限等としては次のものがあった。
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中将を以て補し、直に天皇に隷し、師管区内にある軍隊を統率し、軍事に係る諸件を総理する。
師管区内軍隊の出師準備を整理しまた徴兵のことを統括する。
部下軍隊の練成についてその責に任ずる。但し、特科兵専門のことは、当該兵監の責任に属する。
不慮の侵襲に際し、師管区内の防御及び陸軍諸官庁、諸建築物の保護に任ずる。
府県知事が、地方の静謐を維持するため、兵力を請求するときは、事が急ならば、師団長は直ちに応じて、後に陸軍大臣及び参軍(後の参謀総長に相当する。)に報告しなければならない。府県知事が請求できない例外の場合にあっては、師団長は兵力を以て便宜事に従うことができる(自衛隊における治安出動に相当する。)。
師管区内にある軍隊及び陸軍官庁における風紀、軍紀を統監し、軍法会議を管轄する。
師団長が赴任する節には、師団司令部所在地の府県知事、警視総監、大審院長、控訴院長、検事長、始審裁判所長及び検事上席の者とは3日以内に互いに訪問し、その師管内の府県知事、控訴院長、検事長、始審裁判所長及び検事上席の者とは30日以内に互いに移文訪問しなければならない。但し、共に官等卑しい者より先んじなければならない。